あなたはどの腰痛?腰痛をセルフケアする前に知っておくべきこと

投稿者: りらこ 投稿日:

腰痛

肩コリと並んで体の愁訴(ツラいという訴え)で多いのが腰痛。

少しでも良くしたいと思った時、「筋肉が硬くて血流が悪いから痛む」や「筋肉が弱く姿勢が悪いから痛む」など、パッと思い付くありきたりな理由でストレッチや筋トレなどのセルフケアを行おうとしていませんか?

一言で腰痛と言っても、医学的は色々な種類があり “緊急性のある”腰痛 もある為、注意が必要です。

そこで今回は、セルフケアをする前に知っておきたい腰痛の種類と、簡単なセルフケア法ついてご紹介したいと思います。専門的な言葉も出てきますが、わかりやすく解説していきますので、この記事を読んでいる腰痛持ちの方が参考にして下されば幸いです。

腰痛の種類

まずは腰痛にはどんな種類があるのか簡単に説明します。腰痛には

急性(症状が急で速いもの)

慢性(症状は激しくないけど中々治らないもの)

という分け方がありますが、ここでは

「特異的(とくいてき)腰痛」

「非・特異的(ひ・とくいてき)腰痛」

という2種類の分類について話を進めていきます。

特異的(とくいてき)腰痛 とは?

病院 診察

早速、難しい言葉が出てきましたが、これは 原因の場所が特定できる腰痛です。 MRI(検査)ドクターの診察で「ここだ!」と断定できるものがこれにあたります。

よく聞く疾患名では「腰椎椎間板(ようついついかんばん)ヘルニア」や「脊柱管狭窄症(せきちゅうかんきょうさくしょう)」などが挙げられます。

その他は骨折、ガン、感染症、内臓の疾患(大動脈瘤や尿路結石など)、脊髄の炎症などが原因だったりします。

特異的腰痛はまず病院へ行くべき

特異的腰痛の場合は、まず病院で判断してもらい、治療法がある場合にはそれに従って治療を進めるのが最善です。セルフケアについては治療方針を医師と相談後に考えましょう。

重篤な病気かどうかは私でも判断できないので、セルフケアしても良いかどうか診てもらうのが良いと思います。

具体的には、腰周りに以下のような症状が出ていたらひとまずセルフケアは控えた方がいいです。

  1. 発赤(ほっせき:充血したりして皮膚の色が赤っぽくなっている)
  2. 熱感(ねっかん:他の箇所と比べて触ったところだけ熱い)
  3. 腫脹(しゅちょう:はれぼったくて皮膚がつっぱり腫れ上がっている)
  4. 疼痛(とうつう:針をプスッと刺したような鋭い痛みではなく、ズーンと疼くような鈍い感じ の痛み)

以上の4つ全てが出ていたら病院で診てもらいましょう。これらは「炎症の4兆候」と呼ばれ、腰に限らず炎症が起きている時に出るサインです。

脚が痺れる場合は?

腰椎椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症では下肢(下半身)の痺れがよく見られます。

神経についてですが、神経は脳みそから背骨でできたトンネルを通って真っ直ぐ腰や骨盤のあたりまで降りてきて、そこから更に脚へと繋がっています。

その通り道のどこかで神経が圧迫されたりすることで脚が痺れると言われているので、痺れについてもどの部分が原因かを診断してもらい治療するのが先決です。

(ただし、神経の手術をして腰痛が取れた代わりに痺れはずっと残ってしまう場合はあるそうなのでよく考えた方が良いです。。)

ちなみに下肢の痺れについては腰ではなく坐骨神経痛(腰から始まっておしり、太ももの辺りを通る神経がピリピリ、ビリッと痛む)などの場合にも見られますので、いずれも整形外科などの医療機関を受診することが望ましいです。

非特異的(ひとくいてき)腰痛 とは?

一方で、原因の場所がわからない、ハッキリここだと決められない腰痛のことを非特異的腰痛と言い、腰痛のうちのほとんどがこちらに分類されます。

きちんと医療機関で診てもらった上で、非特異的腰痛についてはセルフケアで良くすることを考えましょう。

一番セルフケアしやすい腰痛

結局のところ、「どんな腰痛ならセルフケアしやすいの?」という話になりますが、

もっとも多いと言われる「筋・筋膜性腰痛(きん・きんまくせいようつう)」という腰痛があり、これが一番セルフケアしやすい腰痛だと考えます。

筋・筋膜性(きん・きんまくせい)腰痛  

その名の通り「筋肉と筋膜」が原因の腰痛です。腰痛というと“筋肉”の異常と思われがちなのですが、忘れてほしくないのが“筋膜”です。

筋膜とは「筋肉や全身のまわりに張り巡らされてる“あみ”みたいな組織」のことです。

ある一箇所を引っ張ると、それにつられて伸びたり縮んだりする性質があります。

セルフケアしやすい理由

ほかの腰痛全般についてですが、その多くが“関節”に起因します。関節は構造がとても複雑なので、ほかの腰痛を治そうとすると関節の機能をチェック(検査)する為にどうしても専門知識が必須となってしまいます。

ところが上記のとおり、筋膜は全身に広くつながりを持っています。関節と比べれば構造は単純なので、硬いところを伸び縮みさせていると自然と周りも一緒に伸び縮みされて、最終的には全体がほぐれ、痛みの原因になっている部分も勝手にほぐれてくれる。つまり、自分で原因の場所を探ることなくケアできてしまう!という点がケアしやすい理由です。

一般的に筋膜が柔らかくてゆるんでいた方が痛みが出にくい状態なので、筋膜を縮めるのが腰痛には効果的とされています。

おすすめなのが「マッケンジー体操」

腰痛のセルフケア法には

  • ストレッチ(伸ばす)
  • 入浴(温める)
  • マッサージ(ほぐす)

 などがありますが、筋膜の痛みを取るのに効果的とされるのは“縮める”です。それを行う代表的な方法にマッケンジー体操という体操があります。

腰痛でベッドに寝る時、何となく体を丸めた状態が楽な人も多いのではないかと思いますが、このマッケンジー体操はあえて腰を反るような体勢を取ります。

昔、ある腰痛の患者さんを、間違えて腰を反るような体勢で休ませてしまった所、「悪くなるどころか逆に腰が楽になったよ!」というのをマッケンジーさんが発見し、広まったそうです。

あえて腰を反ることで、腰まわりの筋膜をギューっと縮めるイメージで行いましょう。

  最後に

病院でまず診てもらった方がいい腰痛なのか、そうではないのか、自分では判断できない事もあるとは思いますが、

もしあなた自身の腰痛が軽度だと感じたり、「病院でも湿布しかもらえない!」という場合には、筋膜を縮める という新しい概念のもと、自己責任にて体操をしてみてください。

また、もし「悪化させてしまうのではないか?」と心配な方は、些細なことでも構いませんのでコメント欄に質問してみて下さい。

 筆者は 「はり・きゅう・あん摩マッサージ指圧師」 という

マッサージの国家試験に合格した真のプロフェッショナルです。

 筆者の持っている全てでお答えします。

 それではまた。


りらこ

”リラックスしてラッコのように優雅な気持ちでいてほしい”という想いから、「ご自宅へ訪問する型」の癒し系マッサージ。頭痛、肩こり、腰痛はもちろんのこと、脳卒中後遺症や難病等で通院が困難な場合には医療保険適用マッサージにも対応しています。